辞めたい気持ちは、たいてい急に強くなります。
ただ、辞める月を間違えると、受け取れたはずのお金を受け取らずに終わることがあります。
賞与、有給、失業給付。この3つは辞める日で結果が変わります。気持ちが決まっているなら、それはそれとして、順番だけ確認してから出してください。
この記事では、辞める前に見ておく数字と手続きを順番に書きます。続けろという話ではありません。
賞与は、支給日に在籍していないと出ません
多くの園では、賞与を受け取る条件に支給日の在籍を置いています。
保育士の年間賞与は全国平均で712,200円です。夏と冬の2回で分けるなら、1回あたり35万円ほどになります。
支給日の前日に辞めると、この35万円が出ません。1日の違いで変わります。
保育士え、就業規則ってそんなこと書いてあるの?



支給の条件は就業規則か賃金規程に書いてあります。在籍要件のほかに、算定の対象期間も決まっています。辞める意思を伝える前に、そこだけ読んでおいてください。
- 賞与の支給日と、支給日に在籍していることが条件になっているか
- 賞与の算定対象期間(この期間の勤務に対して支払われる、という部分)
有給は、退職前に消化できます
年次有給休暇は労働者の権利で、退職前にまとめて取ることもできます。
園は時季変更権を持っていますが、これは他の時季に変えてもらうための権利です。退職日以降に変更することはできません。そのため退職前の消化は、実際には拒めないことになります。
ただし、引き継ぎとの兼ね合いはあります。残っている日数を確認したうえで、退職日から逆算して申し出るのが現実的です。



「うちは有給の買い取りはしてない」って言われた



買い取りの義務はありません。だからこそ消化して辞める形にする必要があります。残日数は給与明細か、園に聞けば分かります。
失業給付は、令和7年4月から早くなりました
自己都合で辞めた場合、以前は2か月の給付制限がありました。
令和7年4月1日から、この給付制限が原則1か月に短縮されています。
| 条件 | 給付制限の期間 |
|---|---|
| 自己都合(原則) | 1か月 |
| 5年間で3回以上の自己都合離職 | 3か月 |
| 離職日前1年以内、または離職後に定められた教育訓練を受けた場合 | なし |
待期期間の7日間は、これとは別に必要です。
3つ目に注目してください。厚生労働大臣が定める教育訓練を受けると、給付制限そのものがなくなります。資格の取り直しや、別の分野に移ることを考えているなら、順番を変えるだけで受け取りが1か月早くなります。
辞めると決めたあとの順番
退職の申し出は「1か月前まで」としている園が多い。民法では期間の定めのない雇用は2週間前で足りますが、揉めずに辞めるなら就業規則に合わせた方が早く済みます。
退職日から逆算して、いつまで出勤するかを決めます。
口頭だけだと、言った言わないになります。
失業給付の手続きに要ります。退職後10日ほどで園から届くのが一般的です。届かない場合はハローワークに相談できます。



引き止められたらどうしよう…



年度の途中だと強く引き止められることがあります。ただ、退職は労働者の権利です。日付を決めて書面で出せば、話は進みます。
保育士の求人を探すなら、2つの種類があります
保育士の求人サービスは、大きく2つに分かれます。どちらが良いというものではなく、いま何に困っているかで選ぶものです。
電話のやり取りが負担なら求人サイト、条件を詰めたいならエージェントです。両方に登録して、合わない方を辞めることもできます。
なお、紹介料を払うのは園であって、あなたではありません。利用者側の費用は発生しません。
保育士が辞めるときによくある質問
- 保育士は年度の途中で辞められますか?
-
辞められます。期間の定めのない雇用であれば、民法では申し入れから2週間で退職できます。ただし就業規則で1か月前などと定めている園が多いので、揉めずに進めたい場合はそちらに合わせる方が現実的です。
- 賞与をもらってから辞めるのは非常識ですか?
-
支給の条件を満たしているなら、受け取る権利があります。多くの園が支給日の在籍を条件にしているので、支給日を確認したうえで退職日を決めてください。
- 有給を全部使って辞めることはできますか?
-
できます。園には時季変更権がありますが、退職日以降に変更することはできないため、退職前の消化は実際には拒めません。残日数を確認して、退職日から逆算して申し出てください。
- 失業給付はいつからもらえますか?
-
自己都合の場合、待期7日間のあと、令和7年4月1日からは原則1か月の給付制限を経て支給されます。5年間で3回以上の自己都合離職は3か月です。定められた教育訓練を受けた場合は給付制限がなくなります。
まとめ
- 賞与は支給日の在籍を条件にしている園が多い。年間平均712,200円、1回あたり35万円ほど
- 有給は退職前に消化できる。園は退職日以降に時季を変更できないため、実際には拒めない
- 自己都合の給付制限は令和7年4月から原則1か月。教育訓練を受ければ制限なし
- 退職の申し出は書面で。離職票は退職後10日ほどで届く
辞めることをすすめているわけでも、止めているわけでもありません。ただ、受け取れるものを受け取らずに辞めるのはもったいない。それだけです。
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出典:労働基準法/雇用保険法(厚生労働省)/出典:「令和5年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)を加工して作成







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