求人票に「賞与年2回・計4か月分」と書いてありました。
国の統計で保育士の賞与を計算すると、全国平均は2.69か月分です。4か月分を超えている都道府県は、47のうち1つしかありません。
では求人票が嘘なのかというと、そうとも限りません。求人票の月数と統計の月数は、分母が違うからです。
この記事では、その違いを説明したうえで、都道府県ごとに実際どれくらい出ているのかを並べます。
保育士の賞与は年間712,200円です
全国の数字を置きます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 712,200円 |
| 所定内給与額(毎月) | 264,400円 |
| 所定内給与に対する月数 | 2.69か月分 |
年間で71万円。夏と冬に分けるなら、1回あたり35万円ほどという計算になります。
求人票の「4か月分」と統計の「2.69か月分」は、比べられません
ここが一番の落とし穴です。
- 求人票の月数は、たいてい基本給が分母です
-
「賞与4か月分」と書いてあれば、基本給×4という意味であることが多い。基本給が16万円なら、賞与は64万円です。
- 統計の月数は、所定内給与が分母です
-
所定内給与は基本給に加えて、資格手当や住居手当、役職手当などを含みます。同じ人でも基本給より大きい金額になります。
つまり、分母の大きい方で割っている統計の月数は、求人票の月数より小さく出ます。2.69か月分と4か月分を並べて「求人票は盛っている」と判断するのは間違いです。
保育士じゃあ求人票の4か月分は信じていいってこと?



月数ではなく、金額に直してから比べてください。基本給が書いてあれば、掛け算するだけです。



基本給16万円で4か月分だと……64万円か。全国平均の71万円より低い!



そういうことです。月数が多くても、基本給が低ければ金額は出ません。基本給を低くして手当を厚くしている園ほど、賞与で損をします。
求人票に基本給が書いてあるなら、この掛け算をしてください。
基本給 × 支給月数 = 年間の賞与額
これを全国平均の712,200円と比べます。基本給が書かれておらず「月給」しか載っていない求人は、面接で基本給を確認するまで賞与の額が読めません。
賞与が4か月分を超えているのは群馬県だけです
都道府県ごとに、年間賞与を所定内給与で割った月数を出しました。分母がそろっているので、県どうしは比べられます。
| 順位 | 都道府県 | 賞与の月数 | 年間賞与 |
|---|---|---|---|
| 1 | 群馬県 | 4.29か月分 | 1,070,000円 |
| 2 | 広島県 | 3.85か月分 | 1,029,000円 |
| 3 | 山口県 | 3.81か月分 | 935,000円 |
| 4 | 福井県 | 3.74か月分 | 884,000円 |
| 5 | 愛媛県 | 3.67か月分 | 819,000円 |
| — | 全国 | 2.69か月分 | 712,200円 |
| 44 | 沖縄県 | 1.92か月分 | 465,000円 |
| 45 | 千葉県 | 1.79か月分 | 499,000円 |
| 46 | 山梨県 | 1.73か月分 | 426,000円 |
| 47 | 山形県 | 1.23か月分 | 284,000円 |
3か月分を超えているのは19県です。一方で2か月分を切っているのが4県あり、山形県は1.23か月分でした。
群馬県と山形県では、年間の賞与が786,000円違います。毎月の給料が同じでも、これだけ年収が変わります。



千葉が下から3番目なのは意外だな。都市部なのに



毎月の給料は281,900円で全国平均を上回っています。賞与が薄いぶんを月給で補っている県、という見方ができます。だから月給だけを見て県を比べると、判断を間違えます。
保育士の求人を探すなら、2つの種類があります
保育士の求人サービスは、大きく2つに分かれます。どちらが良いというものではなく、いま何に困っているかで選ぶものです。
電話のやり取りが負担なら求人サイト、条件を詰めたいならエージェントです。両方に登録して、合わない方を辞めることもできます。
なお、紹介料を払うのは園であって、あなたではありません。利用者側の費用は発生しません。
保育士のボーナスについてよくある質問
- 保育士のボーナスは平均でいくらですか?
-
年間712,200円です。所定内給与264,400円に対して2.69か月分にあたります。夏と冬の2回に分ける園が多いので、1回あたり35万円ほどが目安になります。
- 求人票の「賞与4か月分」は本当にもらえますか?
-
月数そのものは事実であることが多いのですが、分母が基本給なのか月給なのかで金額が大きく変わります。基本給が16万円で4か月分なら64万円で、全国平均の712,200円を下回ります。月数ではなく金額に直して比べてください。
- 1年目からボーナスは満額出ますか?
-
在籍期間に応じて計算する園が多いため、4月入職なら夏の賞与は満額になりません。寸志で終わる園もあります。支給の条件は園の規程で決まるので、入職前に確認してください。
- 公立の保育士のボーナスは私立と違いますか?
-
国の統計では公立と私立を分けた保育士の数字は公表されていません。公立は地方公務員の期末手当・勤勉手当の基準にもとづくため、支給月数が条例で決まっているという違いがあります。
まとめ
- 保育士の年間賞与は全国平均712,200円、所定内給与の2.69か月分
- 求人票の月数は基本給が分母、統計の月数は所定内給与が分母。そのまま比べられない
- 求人票は基本給×月数で金額に直してから、712,200円と比べる
- 4か月分を超えているのは群馬県だけ。2か月分を切る県が4つある
- 群馬県と山形県では年間の賞与が786,000円違う
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出典:「令和5年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)を加工して作成/出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)





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