処遇改善手当がもらえていません。給与明細を見ても、それらしい項目がありません。
同じ園の同じ学年で、隣のクラスの先生には付いている。経験年数もほとんど変わらないのに、なぜ自分には付かないのか。
理由は、たいてい次の3つのどれかです。園が任命していない、基本給に混ぜられていて項目が見えない、加算の枠が埋まっている。
令和7年度から制度そのものも変わりました。この記事では、いまの仕組みと、確認する手順を書きます。
処遇改善等加算は、令和7年度に一本化されました
それまで加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと分かれていたものが、1つの制度にまとめられ、3つの区分に整理されています。
| 区分 | 何のためのお金か | 旧制度でいうと |
|---|---|---|
| 基礎分 | 経験年数や職場環境の改善に応じた賃金改善。キャリアパス要件が必須要件 | 旧加算Ⅰ |
| 賃金改善分 | 職員の賃金の底上げ | 旧加算Ⅲ |
| 質の向上分 | 技能・経験に応じた上乗せ。リーダー層の改善 | 旧加算Ⅱ |
あなたが探している「処遇改善手当」は、多くの場合この質の向上分のことを指しています。
保育士3つもあるの…? どれが自分に関係あるのか分かんない



全員に関係があるのは基礎分と賃金改善分です。この2つは職員全体の賃金改善に使われます。質の向上分だけが、役職に就いている人への上乗せになります。
質の向上分が付く条件は、経験年数だけではありません
2つの区分があります。
- 職務分野別リーダー等(月額5,000円が原則)
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おおむね3年以上の経験と、キャリアアップ研修の修了が前提です。そのうえで園から職務分野別リーダーに任命される必要があります。
- 副主任保育士・専門リーダー等(1人4万円を上限)
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おおむね7年以上の経験と、キャリアアップ研修の修了が前提です。副主任保育士や専門リーダー、またはそれに準ずる職位や職務命令を受けていることが要ります。
大事なのはここです。研修を修了しても、園が任命しなければ加算の対象になりません。
そして加算の対象になる人数には上限があります。園長や主任を除いた職員数から計算されるため、小さい園ほど枠が少なく、順番待ちが長くなります。
令和7年度から、配分が園の裁量になりました
以前は「1人以上に月額4万円を配ること」が決まりでした。いまは1人4万円を上限として、園の判断で柔軟に配れる形に変わっています。
職務分野別リーダー等は原則として月額5,000円ですが、副主任等の改善額のうち最も低い額を上回らない範囲で、5,000円以上4万円未満とすることもできます。



つまり、園によって全然違うってこと?



そうです。1人に厚く配る園もあれば、薄く広く配る園もあります。同じ経験年数、同じ研修修了でも、園が違えば手当の額が違います。



それって、どこの園がいいかを外から判断できないってことじゃない…?



求人票からは読めません。だから面接で聞くしかないんです。答えられない園なら、それも情報になります。
正直なところ、この改正は現場にとって分かりやすい話ではありません。配り方の自由度が上がったぶん、働く側からはいくらもらえるのかが事前に読めなくなりました。とはいえ決めるのは園なので、入る前に聞いておくしかありません。
もらえていないとき、順番に確認すること
「処遇改善手当」という名前とは限りません。職務手当、役職手当、資格手当などにまとめている園があります。基本給に含めている園では、項目そのものが出てきません。
職務分野別リーダーや副主任として任命されているかどうかです。研修を修了していても、任命されていなければ対象になりません。
対象人数に上限があるため、条件を満たしていても順番待ちになることがあります。いま何人が対象で、あと何人分の枠があるのかを確認してください。
加算を受けている園は、加算額を賃金改善に充てたことを計画と実績で報告します。職員に開示する義務まではありませんが、どう配ったかを説明できないのは、それ自体が判断の材料になります。
「自分の手当が少ない」ではなく、「キャリアアップ研修を修了したので、任命の条件を教えてください」と聞く方が話が進みます。
待遇の不満ではなく、次のステップの相談として持ちかける形です。
保育士の求人を探すなら、2つの種類があります
保育士の求人サービスは、大きく2つに分かれます。どちらが良いというものではなく、いま何に困っているかで選ぶものです。
電話のやり取りが負担なら求人サイト、条件を詰めたいならエージェントです。両方に登録して、合わない方を辞めることもできます。
なお、紹介料を払うのは園であって、あなたではありません。利用者側の費用は発生しません。
保育士の処遇改善手当についてよくある質問
- 処遇改善手当はいくらもらえますか?
-
職務分野別リーダー等は原則として月額5,000円、副主任保育士・専門リーダー等は1人4万円が上限です。令和7年度からは園の判断で配分できるようになったため、条件を満たしていても4万円が支給されるとは限りません。
- 処遇改善手当がもらえないのは違法ですか?
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違法とは限りません。加算は園に対して支払われるもので、誰にいくら配るかは園が決めます。ただし加算額を賃金改善に充てることは求められているので、園全体としてどう使われたかは説明されるべきものです。
- パートでも処遇改善手当はもらえますか?
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賃金改善の対象には非常勤の職員も含められます。ただし質の向上分の役職は常勤を前提にしている園が多く、パートの場合は基礎分や賃金改善分からの反映になることが一般的です。
- 転職したら処遇改善の経験年数はリセットされますか?
-
保育士としての経験年数で見るため、前の園の分も通算されるのが原則です。在籍を証明する書類とキャリアアップ研修の修了証は、自分で保管しておいてください。
まとめ
- 令和7年度に加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲが一本化され、基礎分・賃金改善分・質の向上分の3区分になった
- 「処遇改善手当」と呼ばれているものは、多くの場合質の向上分
- 研修を修了しても、園から任命されなければ対象にならない
- 対象人数に上限があるので、条件を満たしても順番待ちになる
- 配分は1人4万円を上限に園の判断。園によって額が違う
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出典:「令和7年度以降の処遇改善等加算について」(こども家庭庁)/出典:「令和5年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)を加工して作成





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